クレジットカードの審査に大きく影響している要素の一つに「年収」が挙げられます。
その一方で、クレジットカード会社から明確な基準が示されているわけではないため、どのくらいの年収があればクレジットカードに申し込めるのか不安な人も少なくないことでしょう。
そこで今回は、クレジットカードの審査において年収がどのような位置を占めているのか、どのように審査を行っているのかを説明します。
ポイントをおさえれば、年収が低いからといってクレジットカードを持てないわけではないことがわかるでしょう。また、年収が低くても作りやすいクレジットカードもあるので、そうしたカードを選ぶことも大切になってきます。

クレジットカード審査の年収基準ってどれくらい?

明確な基準はなく、年収はあくまで目安

基本的に、クレジットカードの審査に際して明確な年収基準はありません。
一部のクレジットカードには明確に○○万円以上という制限が設けられていることもありますが、そうした特殊なケースを除いて、一般的には「年収がいくら以下だから絶対に作れない、いくら以上だから絶対に作れる」といった基準は存在していないのです。

最低ラインの目安は年収200万円

とはいえ、やはりおおよその目安は存在しており、これは一般的に「年収200万円」が最低ラインだと言われています。ただし、これもあくまで目安の一つであり、年収が200万円に満たなくてもクレジットカードを作れたケースはたくさんあります。逆に、年収が500万円あっても審査に通らないこともあり、年収だけが絶対的な要素ではないことがわかります。

年収だけでなく職業や勤続年数から総合的に審査

じつはクレジットカードの審査では、職業や勤務先、勤続年数の方が年収よりも重要視されるようになっています。これらの情報がわかればある程度の年収は推測できますし、勤続年数が長い=安定した収入があると判断しやすいからです。
けっして年収だけで判断しているわけではなく、こうしたさまざまな情報を元に総合的に判断しているわけですね。そのため、定収入のある会社員ならば、一般的に年収が低くてもカードは作れると考えて良いでしょう。
なお、自営業者の場合は勤務先となる企業などの情報がないため、相対的に年収の重要度が上がると言われています。

アルバイトの学生や無収入の専業主婦/主夫でもクレジットカードは持てる

では、安定した収入のある定職に就いていない場合。たとえばアルバイトの学生や無収入(あるいは被扶養のパート)の専業主婦/主夫などでは、クレジットカードを持つのは難しいのでしょうか。

海外旅行での利用やApplePayでの利用など、学生のうちでもクレジットカードがないと不便なシーンはたくさんあるため、できればクレジットカードを持っておきたいところですよね。

結論から言えば、学生や専業主婦でもクレジットカードを持つことはできます。
学生の場合は本人のアルバイト収入以上に親の年収額が重視され、専業主婦/主夫の場合は世帯主(配偶者)の年収とあわせて判断が行われます。

学生や専業主婦/主夫など、無職であってもクレジットカードを持てるケースはあるので、その点は心配しないでも大丈夫です。

また、新社会人などのようにまだ年収が不明な場合は、見込額で問題ありません。

クレジットカード審査ではどうやって年収を調べるの?

年収だけでクレジットカードの審査が決まるわけではないものの、やはり重要な要素の一つには違いありません。
続いて、クレジットカードの審査に際してどのように年収の確認が行われているのか、どのような点に注意すべきなのかを見ていきましょう。

年収額はあくまで自己申告

クレジットカードのショッピング枠については、割賦販売法という法律で規定されていますが、じつはこの割賦販売法においては年収に関する証明が必要とされていません。つまり、審査にあたって収入証明の提示が不要であり、年収はあくまで自己申告となっているのです。

そして、クレジットカード会社あるいは審査会社の側からは、年収額を直接調査することはできません。こうした理由もあり、年収は目安程度になっているのです。実際の年収の多寡よりも、職業や勤続年数から推測される年収と比べて無理のない額になっているかなど、総合的な判断の一要素になっていると考えれば良いでしょう。

審査に際して在籍確認が行われることも

審査に際して年収が直接確認されることはありませんが、かわりに勤務先への在籍確認が行われることはあります。
年収を含めてすべての情報を自己申告のみで判断するのは、さすがにクレジットカード会社としてもリスクが高くなるため、最低限の担保の一つとして在籍確認を行うのです。

とはいえ、勤務先に「クレジットカード審査の一環で在籍を確認させてください」などの直接的な連絡が行くわけではありません。ごく自然に「△△課の○○さんはいらっしゃいますか」といった感じの問い合わせになるはずなので、その点は心配いりません。

キャッシング枠には収入証明が必要なことも

クレジットカード自体の審査には、基本的には収入の証明は必要ありません。
クレジットカードにキャッシング枠を付けない、あるいは強制的に付加される低額のキャッシング枠の場合には、収入の証明は必要なく自己申告のみとなります。

ただし、クレジットカードに別途キャッシング枠を付けたい場合には、条件が変わってくるので注意しましょう。
これは、キャッシング枠が貸金業法における「総量規制」の対象となっているため。総量規制では年収の3分の1を超える貸付が禁止されているため、公的に収入を証明できる書類の提出が必要となるのです。
なお、ここで言う総量には、他社での借入額も含むので注意が必要です。

虚偽申告が発覚すると重大なペナルティに

キャッシング枠を付けない場合は身分証のみの提出となり、年収額も自己申告となります。
では、審査に通りやすいように年収を多めに申告したらどうなるかという考えも出てきそうですが、これは絶対にNGなので注意しましょう。

確かに年収は自己申告であり、四捨五入してざっくりとした額にするくらいならばまったく問題ありません。
しかし、280万円を300万円にする程度ならばともかく、これを500万円と申告するのは明確な「ウソ」となってしまいます。

そして、職業や勤続年数、あるいは他社借入状況などの情報から「この年収はあまりに不自然」と判断された場合、別途収入証明を求められることもあります。そうなれば、当然ながらウソはすぐに判明し、虚偽申告に対するペナルティが科されることになります。

おもなペナルティとしては、審査に落ちてそれ以降の審査にも影響する、あるいは利用開始後に強制退会になるなどの処置が考えられます。悪質であると判断された場合、詐欺罪で告発されることもあり得るでしょう。

そもそも、クレジットカードの審査における年収額は目安の一つに過ぎません。自己申告の年収額を増やしたところで何の役にも立たないどころか、犯罪でありマイナスにしかならないことは明白。なるべく正確な情報で申し込むように心がけましょう。

年収額が低くても審査に通りやすいクレジットカードを選ぼう!

ACマスターカード

クレジットカードの中でも比較的審査が甘めなのが、アコムのACマスターカード。
消費者ローン系の独自審査基準が人気で、他社の審査で落ちた場合でも通りやすいと言われています。
このカードでクレヒスを積み上げ、信用につなげるというのも手でしょう。

楽天カード

楽天カードはアルバイトや専業主婦/主夫でも審査に通りやすいのが特徴。
楽天のサービスを使ってもらうための入口という位置づけなので、まずは入会という方針と考えられます。
楽天での買い物が多い人の場合、ポイントの高還元率も魅力となるでしょう。

学生専用クレジットカード

学生のうちは収入がありませんが、逆に学生という立場を利用して入会できる学生専用のクレジットカードもあります。

  • 三井住友クラシックカード(学生)
  • 三井住友VISAカードクラシックA(学生)
  • 学生専用ライフカード

これらの学生専用クレジットカードには、社会人になる前から自社ユーザーとして囲い込んでおこうという意図もあり、学生だからこそ簡単に持てるようになっています。

クレジットカードの審査に年収の情報は不可欠ですが、けっして年収だけで入会の可否が決まるわけではありません。一般的には年収200万円程度が最低ラインと言われていますが、それ以下で審査に通るケースもたくさんあります。
また、アルバイトや専業主婦/主夫でも審査に通りやすいクレジットカードや、学生専用のクレジットカードなども存在します。年収に不安がある人は、これらのクレジットカードを検討してみるのも良いでしょう。