今やクレジットカードは生活に欠かせません。
社会人のクレジットカード保有枚数はひとりあたり2枚以上といわれ、用途別に使い分けたり賢くポイントを貯めたりするのが常識です。そんな必需品のクレカですが、
「何気なく申し込んでみたら審査に通らなかった」
「過去にうっかり延滞してしまった!」
そんな体験をした人は、なんとかもう一度クレジットカードを持ちたいと悩んでいると思います。
中には、クレジットカードの審査が即日通るカードを知りたい!と考えている人もいるでしょう。
今回はクレジットカードの審査にうまく通るためのポイントについて、見落としていることがないか総チェックしてみたいと思います。

審査に落ちた!できればそうなる前に知っておきたい、5つのチェックポイント

クレジットカードの審査に落ちてしまった人は、まずその原因を明らかにして対策をとる必要があります。
しかし、クレジットカード会社は審査結果とともに「こういう理由により落ちました」という説明はしてくれません。
なぜダメだったのかは自分で究明する必要があります。
本来なら、「自分はクレジットカードの審査大丈夫かな」と不安がある人は、以下のポイントを事前によく理解して、申し込む前に十分に対策をすべきといえます。
クレジットカードの審査に落ちる原因は以下の通りです。

1 収入が不十分である

収入が足りないというのは、必ずしも年収が何百万円以上でないといけない、というのではありません。
月収10万円でもクレジットカードが持てる場合もあります。

毎月安定した収入があれば派遣社員やアルバイトでもOKになることがある

審査では毎月一定額の収入があるということ、そしてその実績が最も重要です。
派遣社員やアルバイトでも半年以上、できれば1年以上にわたって定収入を得ていれば可能性は上がります。
逆に、給与が100万円でもまだ就職して1か月目だった場合は評価されません。

資産があっても定収入がなければ審査に通らないことがある

土地や株券などのまとまった資産があっても定収入がない人は審査にパスすることが困難です。

自営業、会社経営者は収入のハードルが高くなる

収入は「安定している」ことが重要なので、決まった給与所得でない自営業者は審査に通りにくいです。
これは会社経営者でも同じです。
自営や会社経営者の場合、ある程度高い収入を5年以上得ている、などの実績が必要となります。

専業主婦or専業主夫や学生は、世帯に収入があればOKになることがある

専業主婦or専業主夫や学生の場合は、配偶者や保護者の収入を明記することでクレカが持てることもあります。
もし配偶者がいる、あるいは学生でありながら普通に申し込んで審査に落ちてしまった人は、申込方法を再検討してみましょう。

2 スコアが足りない

クレジットカードの申込で最も重要なのは毎月の収入の実態ですが、それ以外にも申込時の情報で重要とされるものがいくつかあります。以下はスコアリングで評価されるポイントです。

勤務先と勤続年数

勤務先と本人に取り次がれる電話番号が明記されていることは最低条件ですが、その他に勤続年数が重要です。
転職の直後などにクレジットカードを申し込むのは不利になります。

クレジットカードの審査は無職でも通る?

現住所

書類に記載する現住所に実際に在住していることが最低条件、さらに住民票や運転免許証に記載の住所も同一であることが望ましいです。
そして、現住所にどの程度の期間住み続けているかについても記載する欄があることが多く、在住期間が短いと審査に不利です。

持ち家か賃貸か

持ち家と賃貸とでは持ち家のほうがスコアが高くなります。独身一人暮らしでクレジットカードの申込に落ちてしまう人は、実家に1年以上住んでから申し込むとスコアがアップする可能性があります。

家族の有無

独身よりも既婚者、一人暮らしよりも実家で親と同居のほうがクレジットカードのスコアは上がります。「独身・一人暮らし」の人は仕事を簡単にやめたり転居してしまう可能性が高い傾向があるからです。

固定電話

最近は固定電話なし、携帯電話のみでもクレジットカードの審査でOKとなることが多いですが、収入が少ないなどのマイナス要因がある人は、固定電話番号を持っていたほうが望ましいです。
上記をまとめると、スコアを少しでも上げたい場合、まず同じ仕事で勤続年数を長くすることが重要です。
また、クレジットカードの審査が厳しくなりがちな「独身・一人暮らし」の人の場合、結婚したり実家で親と住むようになったりしたときに再度申し込んでみるというのもひとつの方法です。

3 信用情報に問題がある

過去のクレジットカード利用で問題があったり、破産その他の信用上の事故歴がある人はその後、クレジットカードの審査をパスすることは容易ではありません。

過去にクレジットカードで延滞したことがある

クレジットカードが便利なあまりだんだん使う金額は大きくなり、あるとき預金残高が足りず期日に引き落としができなかったということがあった場合は、その後すぐに入金しても何らかの記録が残ります。
うっかり延滞してしまったのがたった1回であれば長期にわたり登録されることはないですが、それでももし数回重なると個人の信用という点では消えない傷がついてしまうことになります。
ましてやクレジットカードの利用停止などの過去があれば、当分新規のクレジットカードは作れません。

自己破産またはそれに準ずる債務整理があった

自己破産などの法的手続きによって債務者は救済されますが、信用履歴としては大きなマイナスが残ります。
破産申し立てまでいかなくても任意整理や代位弁済など債務整理とみなされる「異動情報」として信用情報機関に登録されます。
住宅や車のローンの延滞はもちろん、奨学金返済の延滞も例外ではありません。

他には「多重申込」「多額の借入」など。ブラックリストとは?

クレジットカードの新規申込を一度に3社以上同時に行うと、「多重申込」となり、それだけで信用情報に記録が残ってしまうので絶対に避けなくてはなりません。
また、他のクレジットカードで借入限度枠いっぱい近くまで借り入れをしていても問題となります。
これらの行為は何らかのルール違反をしているわけではないものの、信用情報を損なうことになるので気をつけましょう。

以上のように信用情報に重大な問題点があることを俗にブラックリストに載るといい、ご紹介したような延滞、債務整理、多重申込などがこれに含まれます。
クレジットカード審査で重大な障害となるクレジットカードの審査におけるブラックリストについては別の記事で詳しく解説します。

クレヒスがない「スーパーホワイト」とは?

クレジットカードの審査にパスしにくくなる要素として他に「スーパーホワイト」があります。
クレジットカードを持たず、さらに借り入れを一切行っていなかったために信用情報に何の履歴もない人をスーパーホワイトと呼び、クレジットカードを持っていて何らかの利用実績がある人とでは、後者のほうが信用力があります。
これは、継続してクレジットカードを正しく使っていたというクレヒス(クレジットヒストリー)があったほうがカード会社は審査しやすいからです。
特に問題はないはずなのになぜかクレジットカードの審査に落ちてしまったという場合、その人が30代以降であればこのスーパーホワイトに該当しているかもしれません。
このケースでは本人には全く非がないですが、クレジットカードの審査基準でいうと不利な状態になってしまっています。
クレジットカードを持つためには、より審査基準の甘いクレジットカードに申し込んだり携帯電話の割賦契約で取引実績を作るところから始めることになります。

4 書類に不備がある

「何の問題もないはずなのに何故かクレジットカードの審査に落ちてしまった」という人は、申込書類に記載ミスがあった可能性があるので書類の控などをチェックしてみてください。
書類の記載ミスは悪気はなくても故意で虚偽の記載をしたものと疑われ、審査でマイナス要因となってしまいます。
クレジットカードの申込書類は自分の信用を決定づける重要な資料ですから、くれぐれも住所や電話番号などの基本情報を間違えることのないようにしてください。

5 審査の厳しいカードを申し込んだ

クレジットカードはステータスの高さにより審査基準が異なります。
正社員としての勤続実績に加えて優れたクレヒスの蓄積がないと審査にパスしないクレジットカードもあれば、アルバイト勤務でも持てるカードもあります。
自分に合うクレジットカードをよく検討してから申し込めばいいのですが、人に勧められたりして申し込んでみたものの審査に落ちてしまう、ということもよくあることです。
このようなときは、6か月程度時間をおいてからより審査基準の甘いクレジットカードに申し込めば持てるはずです。
そして、仮にステータスが低いクレジットカードしか持てなかったとしても、着実にクレヒスを積み重ねることにより、将来的にはよりステータスの高いクレジットカードへとグレードアップしていくことが可能です。

クレジットカード審査に落ちた人がまずやるべきこと、やってはいけないこと

クレジットカードの審査に落ちたら、そのあとにどうすべきか?という次のアクションが重要です。
これにより、今後クレジットカードを持てるか、持てないかがほぼ決まってしまうともいえます。

一番やってはいけないことは、別の会社のクレジットカードの申込み

「やるべきこと」よりも重要なのが実は「やってはいけないこと」の方です。
審査に落ちたあと、すぐ次のクレジットカードの申込をすることは厳禁です。
クレジットカードの利用だけでなく申し込みと審査に落ちたという事実は信用情報機関で共有されていて、他社の審査に落ちたという情報は有力な参考情報となります。
そしてもう一つ、多額の借入れ目的で複数のカードを申し込む「多重申込」も疑われてしまいます。
このため、審査落ちの情報が残っていれば他のカード会社でも審査落ちとなる可能性は極めて高くなります。
2回以上連続してクレジットカードの審査に落ちる履歴は何としても避けなくてはなりません。
対処方法は「6か月以上経ってから再チャレンジ」です。
実はクレジットカードに申し込み、審査に落ちたという情報は信用情報機関では6か月後に消去されるので、この期間を待つことが最善策です。

カード審査に落ちたら、ダメだった理由を知ろう

クレジットカード申込の再チャレンジまでは6か月待たないといけませんが、この間にするべきことは意外とたくさんあります。
「なぜ審査に落ちたか」はカード会社に問い合わせても教えてくれないので、自分で確認する必要があります。

カード申込時の書類と自分のスコアを確認する

最初の項目で解説した「5つのチェックポイント」はどうだったでしょうか。
自分の申込書類の控を見ながらどこが審査に落ちる原因となったのか、原因究明をしてみてください。
ほとんどの場合、5つのうちどれかに思い当たる節があるはずです。

自分の信用情報の開示請求をする

「自分の信用情報に問題があったかも」と思った人はもちろん、審査に落ちたがその原因として自分自身で心当たりがないという人も、保存されている自分の信用情報を確認してみましょう。
クレジットカードの審査で参照する情報は、第三者機関である信用情報機関に保存されています。該当する信用情報機関は以下の3つです。

・CIC
・日本信用情報機構 (JICC)
・全国銀行協会 (KSC,、全銀協)

クレジットカードの審査の参考にする情報は主にCIC・JICCですが、全銀協の情報も参考にすることがあります。
CIC・JICCの情報はオンライン経由で開示請求ができ、全銀協の情報は郵送となります。
まれに、身に覚えのない情報が記録されていることもあり、その場合は信用情報会社に調査と訂正を請求することが可能です。

6か月後のクレジットカード申込再チャレンジに向けての対策をとる

自分がクレジットカードの審査に落ちた原因が大体わかってきたら、不利な条件をできるだけ解消する対策をとりましょう。

可能なら実家で親と同居する

独身一人暮らしの人は可能であれば実家で親と一緒に住みましょう。実家なら固定電話があることも多いはずです。半年以上住み続けてからクレジットカードを再度申込みします。

たとえアルバイトでも継続して長く勤務する

アルバイトや派遣社員でも勤続年数が長ければ正社員1か月目よりもスコアが高くなることもあります。同じ仕事で勤続の実績を作りましょう。

クレジットカード利用はもちろん、他の支払いでも延滞を起こさないようにする

すでに持っているクレジットカードがある場合は、絶対に延滞しないように注意しながら使っていきましょう。
良いクレヒスを蓄積することが大切なので、全く使わないというのはダメです。数千円程度の少額を毎月使っていくのがベストです。さらに注意したいのはその他の支払期日もしっかり守ることです。

・携帯電話の料金
・奨学金
・住宅や車のローン

その他、旅行や英会話スクールなどを分割払いしている人もいるかもしれません。すべての支払いをきちんと決済することが自分の信用力をつけるために極めて重要です。

【6か月後・2年後・5年後】審査落ち後に再チャレンジする、おすすめクレジットカード

クレジットカードの審査に落ちてしまったらしかるべき対策をとって、いよいよ再チャレンジです。しかし焦りは禁物です。
事情によっては5年以上待ってから申し込むべきケースもあります。以下、ケース別の申し込むタイミングとおすすめのクレジットカードをご紹介します。
ただしいずれの場合も、過去に申込んで審査に落ちたカードには申し込めません。

【6か月後】審査に落ちた原因を解消できたら、違う会社のクレジットカードに申込む

クレジットカードの審査に落ちたという事実は6か月が経過すると信用情報から抹消されます。
以下のような条件を満たしている場合は、6か月経過後に違う会社のクレジットカードに申込んでみてOKです。
ただし、より慎重を期すなら1年後に再チャレンジすることがおすすめです。
また、申し込む前に、この記事の最初の項目に戻って「落ちないためのポイント」を改めてよくチェックしてください。

・信用情報を紹介したところ、クレヒスに特に問題はなかった
・審査に落ちた原因として「転職直後」「引っ越し直後」「書類の記載ミス」などが思い当たった
・前回はステータスが高めのカードに申込んでしまった

流通系などのクレジットカードがおすすめ

一般的に審査に通りやすいといわれている以下のようなカードを申し込んで、確実にクレヒスを蓄積していくのがおすすめです。

楽天カード
イオンカード
ライフカード
ファミマTカード
Yahoo!カード

企業の正社員で十分な年収があり、クレヒスの問題もない場合は、以下のようなカードも候補となります。

アメリカン・エキスプレス・カード
オリコカード・ザ・ポイント

【2年後】クレヒスに延滞履歴などがあったら2年が経過してから再チャレンジ

前述したCICの信用情報を見ると、毎月の記録として正常な決済については「$」の印がついています。
ここに「$」以外の例えば「A」が付いていた場合、入金遅れなどの問題点が履歴に残っていることになります。
クレヒスは過去2年分を保存してそれより以前は順次消去されていくので、2年経過すればクレヒスが改善します。
そしてこの2年の間はクレジットカードを使わないのではなく、毎月使って正常な決済の記録である「$」マークをつけていくことが大切です。
2年後に再度信用情報を請求して確認した後、クレジットカードの申込みに再チャレンジしましょう。

比較的審査が甘いといわれているカードで再チャレンジ

おすすめのクレジットカードは以下です。

楽天カード
ライフカード
ファミマTカード

もし、すでに上記のようなカードに申込んだけれど審査に落ちてしまったという場合は、以下のカードに申込んでみましょう。

ACマスターカード

【5年後】携帯電話料金の遅延など、信用情報に問題がありそうなら5年以上待ってから

携帯電話の契約その他ローンの支払い遅延、債務整理などの情報は信用情報機関で5年保存されます。
クレジットカードの延滞でも重大な事故は5年記録が残ることもあります。このような場合は5年間待つことになります。
もしもクレジットカードを持っていたらそのカードのキャッシング枠は使わず、ショッピング枠で毎月少額ずつ使用します。
持っていなければ5年の間に、携帯電話の契約などでよい信用情報を蓄積してください。

できるだけ審査の甘いカードでゼロからやり直そう

このような人におすすめのカードは以下です。

ACマスターカード

ACマスターカードは公式サイトで3秒診断サービスを提供しているので、こちらを試してみるのもおすすめです。
自信がない人は、比較的審査に通りやすいといわれているカードローンのカードを先に申込んでみて、こちらで実績を積むこともおすすめです。